2020年6月〜2022年12月を振り返る
生きてます
気がつけば実に3年半ぶりのブログです。時の流れは速すぎますね。とりあえず生きています。振り返ってみたら前回のエントリが2020年6月のErgoDox EZを買ったことでした。仕事帰りにりんかい線大井町駅の長いエスカレーターを登りながらUPSのトラッキングのステータスを見ては、まだ来ないかなあまだ来ないかなあとまるでサンタを待つ幼児のようにソワソワしていたなあと思いを馳せています。そのようにワクワクドキドキしながら買ったErgoDox EZも、今はもう使っていません。時の流れはあまりにも無常であった。その後紆余曲折を経て、今はNuPhyのF1のJISを愛用しています。
んで、このエントリでは2023年を振り返ろうとしたものの、とりあえず筆を執りワサワサと書いてみた結果、いやそれ以前に2022年12月までも結構色々なことがあったことを振り返らないと2023年どころじゃないやろということが判明したため、まずはそちらをやっていこうと思いました。やっていきます。
振り返る
- 2020年 8月 : 息子が2歳になった
- 2020年 9月 : 転職した
- 2021年12月 : 家を買った
- 2022年 1月 : 転職した
- 2022年 7月 : メンタルぶっ壊して休職した
- 2022年 8月 : 息子が3歳になった
- 2022年10月 : 復職+部署異動をした
年表を持ち出してしまったので実質自分は武士沢レシーブであることが判明しました。ひとつひとつ取り上げるとマアー本当に色々なことがありましたなあという感じなのですが、なんやかんや非常にシンプルに自分はライフステージを進んでいるのだなあという気持ちになります。息子はスクスクと大きくなり、転職の狭間にほぼノリと流れと勢いで家を買ったりしました。家ですが、買って良かったので、皆様も軽率に家を買いましょう。軽率に買うことが重要です。
お仕事のお話
仕事の面では転職→転職→メンタルぶっ壊し→復職+異動と、まさに激動に次ぐ激動の日々でありました。
1度目の転職はキャリアアップ目当て半分、当時はまだまだ若さも残りなんやかんやイキり毎日のインプットとアウトプットで圧倒的成長💪!となっていた自分の目から見て『社内のやる気も技術もあるメンバーが片っ端から転職していなくなった!もうこの職場で学ぶことはない!(キリッ)』という気持ちになったのがもう半分です。今思えば自分は何様だったのかという気持ちでしかありません。
そのようにして入った次の会社では、チームマネージャーとしてオリャーと順当に成果を上げていたところ、十分に信頼を置いていたはずの上司の皆様になかなか稀に見る酷い裏切りをキメられ、オイオイオイふざけんなやってられっかウオーとなっていたところでたまたま友人からうち来ない?という話があって非常にタイミングが合い、転職と相成りました。こればっかりは今思い返してもだいぶ理不尽な目に遭ったなと思いますし、全然納得はいっていません。一体なんだったんでしょうねアレは。
休職のお話
そうしていまも勤めている弊社に入ったわけですが、半年も持たずにメンタルをぶっ壊しました。皆様も入社半年でメンタルをぶっ壊さないよう、各自やっていきましょう。原因としては素潜りがんばるぞウオーと海に飛び込んだところ何故か足に巨大な石がくくりつけてあり、そうしてことさらこの海は深く、深海の水圧と水流速度についていけず酸欠といった感じだったというのが自分の見立てとなります。皆様も酸素ボンベや防護服無しで深海に潜らないよう、各自やっていきましょう。
そのようにメンタルをぶっ壊してからおおよそ4ヶ月の間休職して何をしていたのかというと、ただひたすら死んだ魚の目をしながらエアロバイクを漕ぎ、まるでうまくなることを放棄するプレイでマリカーをすることで時間を消費していました。もう本当にゆっくり休みたいという気持ちと、とにかく何かしないといけない、何かをしないと人生終わってしまうという焦燥感の間で苦悩しながら、メンタルのお医者様と共に出した答えが、とにかく無限に体を動かせばええんやとエアロバイクを漕ぎ続けることでした。そうして脳はぶっ壊れているので、放っておくと次々に悪いことを考えてしまいます。対策として思いついたことは、マリカーで脳のリソースを目の前のコースを走ることだけに注ぐことでネガティブの入る余地を無くすことにしたのでした。とりあえず道順通り走ればええんやというのを最優先事項としたため、プレイ時間に反して全くうまくなっていません。最盛期では1日6時間エアロバイクを漕ぎながらドンキーコングの乗ったカートを操作し続け、4ヶ月経ち復職する頃には体重は30kg落ち、いつの間にか肥満Ⅱ度だった体重が標準体重となっていました。これにはメンタルのお医者様も「加減しろ莫迦!」と迫り、僕は「痛くなければ覚えませぬ」と壊れた脳で答え、これをメンヘラシグルイダイエットと名付けました。欠点は無限に時間が無いと出来ないこととメンタルをぶっ壊さないと出来ないことであり、現に復職してから35kg増えました。
復帰のお話
そうして服薬と健全な運動を続けた結果、少しずつメンタルが上向いてきたこともあり、復職面談にてあの部署では冗談抜きで死んでしまうのでやめてくれと訴え、結果いまの部署に異動となりました。とはいえ今思えば10〜12月の間はまだまだ脳は死んでおり、自己肯定感は-50000億兆、自分の発言に自信が無い、上司や同僚に微妙に怯える、歓迎会の時間が迫ると猛烈な吐き気が襲いドタキャンする、思考力が低下してインプット能力が大幅に落ちる、語彙力が圧倒的に低下して言葉が出てこない等の症状が発生していました。なお最後のやつは今もまだ完全に回復しきっていない有様です。ホント言葉が出てこない。やはり脳はぶっ壊さないに限りますね。皆様も脳はぶっ壊さないよう、各自やっていきましょう。
終わりに
そんなわけでバリバリに色んなことがあった2022年まででした。2022年は人生で一番しんどい年でしたね。果たして僕はちゃんと2023年を振り返ったエントリを今年中に書くことが出来るのか。できるだけ頑張りますので、皆様におかれましても各自やっていきましょう。現場からは以上です。
ErgoDox EZを買った
キーボードの新調をしたかった
近々ちょっとした環境の変化があり記念に何か欲しかったこと、そういえば自分の誕生日(2月)に何も買ってなかったこと、在宅勤務の流れから来る仕事環境を整えたい衝動などの様々な条件が重なり、ここ1ヶ月ほどずっとキーボードを新調しようと考えていた。
これまではもう10年ほど前に買ったFILCOのMajestouch NINJAのJISキー(廃盤)をずっと愛用していたのだが、3,4年前ほどからWindowsを使うことがなくなったのと、仕事でUSキーを使うようになったので、Mac標準配列のUSキーボードに変えたい欲が高まっていたのだ。
RealforceにするかHHKBにするかの二択だなあ、さあてどっちにしようかな、どっちにしても後悔はしなそうだなあと割と長い期間カタログスペックを見たりしてワクワクを楽しんでいた、つまりはどちらにしようかの決定打が見つからずにどちらも買いあぐねていたそんなある日、TLにふと以下のツイートが流れてきたのである。
届いた! pic.twitter.com/FhsSoeiiMp
— ざっきー dev (@zakky_dev) 2020年6月5日
なんだこれ……………ErgoDox………EZ………?…………分割キーボード…………?
ぶ、分割キーボード!!!!!
その瞬間、ヤツが顔を出したのである。昨年1児の父となりすっかり中年になってとっくに死に絶えたと思っていた、息も絶え絶えになりつつもひっそりと身を潜めていた自分の中の厨二病の魂が、「キーボードを分割せよ!かつて『自分にはこんなの必要ないし……』などと軟弱にも諦めたフリをしつつも密かに憧れ続けていた分割キーボードを今こそ手にせよ!!カッコイイだろ分割キーボード、だって割れてんだぜ!?!?
お前はもう人差し指タイピングで満足していた中学生じゃない!$300が払えない高校生じゃない!自堕落にPCを触っていただけの大学生じゃない!職業エンジニアとなり脂も乗りに乗った今こそ、セパレートされたキーボードでカチャカチャカチャカチャッッッッッターン!!!!!!する時だ!!そうだろ!?!?」と叫んだのである。
へへ…ErgoDog EZ注文しちゃったぜ…!
— nitt-san (@nitt_san) 2020年6月5日
そうして気付いたら注文を済ませていたのだ。先のツイートを見た僅か翌日のことである。
さようならRealforce。さようならHHKB。バイバイありがとうさようなら、愛しきFILCOよ…アンタちょっといいキーボードだったよ…最後もう一度打ちたいよ………
My New Gear...
こういったものは、注文してから届くまでの時間が一番楽しいとは誰が最初に言い出したのだろうか。
休憩がてらUPSのトラッキングシステムを更新しては、ついにShipmentになった!台北から桃園に移動した!スキャン!ウオオ!月曜に到着予定!?まいったな、受け取れるかな………等と、到着するまでの時間を充分に満喫しつつ、6/6に注文してわずか8日後、6/14にErgodox EZが自宅に届いた。早い。
ぶっちゃけ二週間ぐらいはこのソワソワワクワクを楽しむことになるかなと思っていたが、あっという間に到着した。
最近の輸送技術の発達は凄まじく、一利用者としてはただただ脱帽するばかりである。
My New Gear... pic.twitter.com/Ly80IhEV6A
— nitt-san (@nitt_san) 2020年6月14日
そんなわけで早速Macに繋ぎ、タイピングを試みる。
ワア!全然思った通りに打てない!ヤバい!Zに手が届かない!Enter親指!?Commandどこ!?Ctrlは!?バックスペースは!?等とひとしきり大騒ぎをしつつ、そうだ、イータイピングをやらねばと思い出す。
イータイピングのスコアがこれまではThunderとかNINJAとか色々出てたのに、キーボード変えて一発目がD+とか出てでででディープラス!?っつった
— nitt-san (@nitt_san) 2020年6月14日
とりあえずクセを修正してB+にはなったけど、これ修飾キーやらDelキーやらとの戦いになりそう
そもそも今のタイピング能力がどれぐらいあるのか、キーボードを変えたらどれぐらい下がるのかというのを確かめておきたかったので、ソワソワ期にイータイピングに登録し、予め測っておいた。その後2日間必死になってタイピング能力を取り戻そうと頑張ったグラフがこちらだ。
どこからキーボードを変えたのかがひと目でわかる崖っぷりである。リーマンショック時の株価みたいだ。
「これはヤバい、仕事じゃ使い物にならない」と、2日でなんとかかんとか取り戻したような感じになっている。が、修飾キーまわりやバックスペース周りがまだまだ慣れない。
とはいえこのペースなら、多分1週間もすれば問題なく業務に使えるのではないかなーと感じている。
キーマップの模索は続く
ErgoDoxの素晴らしいところは、キーマップをいじれるところである。が、そもそも分割キーなので、何をどうするとキー効率がいいのかがさっぱりわからない。
こればかりは実践で試しながら、少しづつ調整をしていくしか無いのだろう。そしてそれもまた楽しかったりする。
現状のキーマップはこのようにした。左手のTの右にY・右手のYの左にTを置く辺りに、純度100%の逃げの姿勢を感じていただけると幸いだ。
- デフォルト
- レイヤ1
- レイヤ2
皆さんも是非Ergodox EZを買ってみてはいかがだろうか。メチャメチャ楽しいですよこのキーボード。
なおErgodoxは職場に持って行ったので、この文章は現在FILCOで入力している。また会えたねFILCO!グ、グエエ、打ちにくい…………既に手がErgodox慣れしている………
部下を部下と呼ぶ事にした話
部下を部下と呼んでいなかった
「メンバーのことを部下とは呼ばない。マネージャーとプレイヤーは役割が違うだけで、上下関係は無いからだ!」とマネージャーが言及するのをよく見る。というか自分もまさにそのクチだった。
今となってはもうきっかけも思い出せないが、多分Twitterだかどこかで誰かがそう言っていたのを聞きかじり、「なるほど、確かにその通りであるなあ…ようし、僕も課員のことを部下と呼ぶをやめるぞ!」などと考えたのだと思う。結果として1年半ほど前に課長代理になってからずっと、明確に部下という呼称は使っていなかったと思う。
ななめ会議にて
弊社にはななめ会議という制度がある。課に所属するメンバーが話し合い、課長に対して匿名でフィードバックを行う制度である。課員が普段自分についてどう思っているのか、率直な意見を聞ける大変有難い機会である。
そのななめ会議にて、先日僕は以下のようなフィードバックを頂いた。
「本来の仕事に集中出来ていない感があります」
雷が落ちたような気分になった。よく考えてみると、課長の本来の仕事とは何なのだろうか?いや、そもそも課長とは何なのだろうか?もしかしたら、自分はしっかりと課長という立場に向き合えていなかったのではないだろうか?
課長とは何か
言葉の定義がわからないならば辞書を引く。広辞苑によると、課長とはこのように定義されていた。
か‐ちょう【課長】クワチヤウ
官庁や会社などで一課の事務を総括し、部下を監督する役。また、その人。
そう、僕は一課の事務を総括し、部下を監督する役。また、その人なのだ。
改めて自社の組織図を見てみる。言うまでもない。課長nitt-sanの課に、課員がぶら下がっている。僕は課員の仕事に、課員の成果に、課員の成長に、課員の評価に、課員の給料に、明確に責任を持たなくてはならない立場なのだ。僕は上司であり、課員は部下なのだ。部下を部下と呼ばないことは、上司の責任から目を逸らしていることに他ならない。これまで僕は課長という定義と向き合うこともせず、ただただ無邪気に「役割が違うだけ!」などと言っていたのだ。
組織構造と立場
この事は、マネージャーがマネジメントする対象と、組織上どのような関係性にあるのかという、組織構造に拠る話なのだと思う。
例えばプロジェクトをマネジメントする立場にあり、参加メンバーの給与査定も評価もしない、プロジェクトの成果にのみ責任がある立場なのであれば、マネージャーは部下と呼ばない方がむしろ適切であると言えるだろう。そこに上下関係など存在しないからだ。
一方で「いいや、それでもやはり部下と呼ぶのは憚られる」というラインマネージャーはやはりいるかもしれない。
ならばあなたは、組織を真に上下関係が発生しない構造に変えるよう働きかけるべきだ。つまりはサイボウズのように横一列のティールな組織に変えてしまえばいい。マネージャーは管掌する組織を、自分自身の望む理想の関係性にするために、組織構造を変えるよう汗をかく必要がある。会社という組織に属していながらその努力もせず、頑なに部下を部下と呼ぶ事を拒むのは、ただの責任放棄と言えないだろうか。
本来の仕事を
ところで件のななめ会議で自分が頂いたフィードバックには、最近自分が『誰の持ち物か管掌もハッキリされていない範囲にトラブルが発生し、早く解決しなくてはプロジェクト全体に遅延が発生する、極めて技術方面に寄った、トライアンドエラーを繰り返しながら手を動かすタスクの解消』に、毎日毎日深夜まで延々手を焼いていたという背景がある。
指摘されてみると確かに、全くと言っていいほど課長本来の仕事ではない。的確なフィードバックに本当に頭が下がる。すぐにその範囲を誰の持ち物かをハッキリ決めることと、今回自分が何を考えながら、どのように解決しようと試みたかを部下に伝えてスキトラを図ることをしよう。
まずはこれが、課長のいま本来すべき仕事だ。
アウトプットと、アウトプットへの責任について
人を言葉で傷付けた話
年末に行われた飲み会にて、自分がただ何の気無しに発した一言によって、自分がこれまで最もお世話になった人を心の底からいたく傷付け、怒らせたという出来事があった。
当人に謝罪こそしたものの、これをきっかけとして、残念なことに友人関係の解消という結果になった。
この出来事が起きてから約2ヶ月、僕はアウトプットとそれに伴う責任というものについて考えることが増えた。
アウトプットと責任
ただの事実として、言葉を発した本人が自覚していようがしていまいが、言葉は発された瞬間に自動的に責任が伴っていると言える。
つまり自分が何らかの意図を持って紡ぎ出した言葉があったとして、その意図と、言葉を受け取った相手が言葉を解釈して得た意図とは、全く別の事象であるということだ。
政治家が失言後に「誤解を招く表現だった。謝罪する」と言う事案の何割かは、これに該当するだろう。
自分が意図した言葉を、受け手全てに正確に伝えることが出来なかった時点で、政治家としての言語化能力に不足がある。もちろん、それにより発生した不利益は本人が甘んじて背負うべきだ。場合によっては単なるハンロンの剃刀事案と言える。
当然、言葉だけの世界の話ではない。文章、プログラム、振る舞い、仕草、第三者から観測することのできる全ての事象は、他人に観測された瞬間に自動的に責任が発生している。
本人はいい匂いだと思って付けている香水が、他の人からすると単に不快にしか感じないことに似ているだろう。
例えば、自分がコードをこの世に生み出して公開したとする。本人は最高のコードを生み出したと思っている、あるいは特に何も考えずに公開したのかもしれない。そこでたまたまGitHubリポジトリを見た転職希望先の責任者が、自分の知らないところで静かに失望していたりする。
自分が相手に対して実際にリスペクトを欠いているかは一切関係が無く、相手が「こいつの態度は自分に対してリスペクトを欠いている」と感じた時点で、コミュニケーションには齟齬が起き得るのだ。
手を当てないでクシャミをするだけで、もしかしたら上司に『こいつは他人に配慮することが出来ない人間だ』と評価されているのかもしれない。
内側に向けたピースサインは、文化によっては侮辱行為と受け取られるという。
改めて自覚すると、自動的に責任が伴っているにも関わらず、その事実にただ無自覚で居続けることは、本当に恐ろしいことだと思う。
上記を踏まえた上で、己が誰かに対し、心を配って言葉を使うか、何も考えずに乱雑な言葉を使うかの尺度は、当たり前のことだがすべて個人の自由であり、裁量の範疇に過ぎない。
繰り返すが、自分の口から出た言葉に対して、その影響を自覚しているかどうかは、言葉を受け取った相手が、自分に対してどのような印象を抱くかに対して何も影響はない。
己がTPOに応じて尺度を自ら調整しながら、日々のアウトプットを積み続け、その上で、不利益が起きたのであれば甘んじて背負わなければならない。
マネージャーとして、人としての自分のスタンス
僕はマネージャーである。ラインマネージャーだ。中間管理職として、部下の継続的な成長と高い成果に責任を持ち、ラインに与えられたミッションを遂行する職務を担う。
日々の業務で最も重視することは、ありとあらゆるシチュエーションにおいて発生するコミュニケーションを、いかに最適に行うかだと考えている。
一連の出来事を経て僕は、コミュニケーションを最も重視する立場の人間として、あらゆるコミュニケーションの場において、可能な限り考え抜いて、誠意を尽くして、真摯な言葉を使いたいと思うようになった。
マネージャーとしてそうありたいということでもあり、人としてそうありたいと考えたという話だ。
しかしいざ実践すると、これがあまりにも難しい。
たとえ常々相手に対して誠実にあらねばならないと心に刻んでいたとしても、例えば多忙、ストレス、あるいはちょっとしたテンションの上下によって、ふとした瞬間瞬間に配慮を忘れ、相手に失礼と感じられても仕方がない振る舞いや発言を行なってしまったと自覚する。
つまり自分はこれまでの人生において、無自覚にそういった振る舞いや言動を行なっていたということになる。恐ろしいことだ。
今では毎日都度、静かに人間としての未熟を感じ、意識と言動・行動を修正し続けている。
そうして、覆水は盆に返らない
常に誠意を尽くして真摯な言動や行動を取りたいということは、あくまでも僕が思っていることである。
誰かに対して「君も自覚して行動した方がいいよ」なんて大それたことを言うつもりは毛頭無い。当たり前のことだが、自分の生き方なんて各々の自由だ。
ただ、自分が何を言ったとしても、どんな行動を取ったとしても、何を残したとしても、誰かに観測された瞬間に、ただ自動的に責任が発生しているという事実は変わらない。ならば、せめて自覚していた方が、人生においては何かと都合が良いのかもしれない。
僕は冒頭の出来事に対して、自らの言動によって得た不利益を甘んじて背負わなくてはならないし、二度とこのようなコミュニケーションロスを起こさないように、可能な限り心を配って真摯に誠実に言葉を紡ぎたいと考えたのだ。この記事はただ、自分への戒めとして残したいと思い、エディタを開いた。
そうして、壊れた人間関係は二度と戻らないと知った。もう知っている。
致命的な破滅に気づくのは、起きてから、二度と戻れない事態になって、そこで初めてなのだ。
人に出来ることは、せめて同じことを繰り返さないように学習すること以外に無い。
「1on1を上達するために」のプレゼン資料を書いた話を振り返ったり、近況を書いたりする
1on1を上達するために
5月18日に、エンジニアの成長を支える1on1ワークショップという勉強会を開催しました。
『1on1を現場でやっているけれど、なかなかうまく行かず悩んでいるマネージャー』や、『1on1に興味のある、会社でやっているエンジニア』などを対象に、実際に1on1を実施し、それを他人に見てもらい、フィードバックを得るというワークショップを半日ほどかけて実施しました。
イベント初開催ということもあって至らない点が数々あったと思います。その点につきましては参加者の皆様申し訳ありませんでした。
一方で、各々が現場に何か持ち帰ってもらうことの出来る、いい機会となったのではないでしょうか。
今回はワークショップの前に、1on1というものを包括的にカバーして説明し、出来るだけ明快に解きほぐすような資料を作ってプレゼンしたいと思い、30分の時間を取らせてもらいました。
年始から1on1と向き合って得た体験や、様々な書籍を調べて引用しつつ、徹頭徹尾わかりやすく見やすい資料を目指して作成。ブログに書いてもないのにspeakerdeck自体がはてブでもなんだかとてもバズっていて、世間における1on1というものへの関心の高まりを強く感じました。
マネージャーがもっともっと現場でエンジニアと情報交換をしたり、問題解決のための行動を促したり、不安や不満を受け止めたり出来る世の中になるといいですね。自分もそのために出来ることは色々やっていきたいと思います。
近況
今年に入ってしばらく、さすらいの1on1おじさん的に活動していたものの、ここ2ヶ月ほど外部に公開出来るようなアウトプットが途切れておりました。
その間やっていたことは以下のリストにまとめており、なかなか激動の2ヶ月ちょいだったのですが、学んだものもとても大きく、どこかでアウトプットや登壇でお話出来る機会が無いかなとひそかに探り中です。とりあえずGotanda.EMの#3にはLT枠で並んでます。
皆様におかれましても、今後とも宜しくお願い致します。
やってたことリスト
- よく考えたら自分は別にさすらいの1on1おじさんではないことに気付く
- Engineer Onboarding Meetupという、エンジニアのオンボーディングを考える会の主催メンバーに紛れ込む
- 外の活動よりも、マネージャーとして現場と向き合うことを優先する
- TEAM GEEKを読む
- THE TEAMを読む
- 現場でテストコードを書く
- Golangで簡単な業務改善ツールを書く
- チームに入った新人のオンボーディングを実践する
- Netflixで突然配信されたエヴァンゲリオンの1話を見て、シンジ君がエンジニアだったらこんなひどいマネジメントの現場もそうそう無いななどと考えたりする
- 概念存在てぃーびーさんがスタディストに入社し、受肉するさまを確認する
【勉強会主催参加記録】Engineer Onboarding Meetup #1 @co-ba JINNAN(渋谷)
主催参加イベント
engineer-onboarding.connpass.com
主催参加目的
- 所属組織に新人が入って来る際の受け入れに苦労しており、onboardingについて知見を集めるため
- 国内のエンジニアがいる組織(企業/チーム)が、Onboardingをきちんとすることを当たり前にするため
- 主催すると役割が発生するのでドタキャンが出来ない(迫真)
- エンジニアイベント主催の経験を積むため
登壇
上司のオンボーディング ーある日あなたのチームの上司が突然変わったらー
てつのすけ@まなびプランナー (@tetsunosuke) | Twitter
- まなびプランナー(採用・組織開発)
- ワークショップ・ゲーム研修・ファシリテーター・組織エンジニア
- 雑にチームビルディングをする方法は、共通の敵を作ってしまうこと
- チームビルディングのGRPI
- Goal
- Role
- Process
- Interaction
- 上司が高圧的になる -> メンバーが団結して上司を敵にする -> 上司はますます高圧的になる悪循環
- 上司も本当は仲良くしたい(人事も)
- コミュニケーションの不足に問題がある -> お互いの期待を合わせよう
- 期待を合わせるためにすること
- 上司をのぞいて集まる
- 期待すること・質問を匿名で記入
- メンバー同士で相互理解
- 上司を拍手で歓迎
- 答えられるものから答えてもらう
- 所信表明・計画説明
- ワークショップ・親睦会
メルペイのオンボーディング
shinden (新田) (@t_shinden) | Twitter
- メルペイのバックエンドエンジニアマネージャー
初日
- 会社が大事にしている価値観の理解を深める
二日目
- 決済事業の業界とビジョンの理解を深める
- メルペイの会社としての価値観の理解を深める
三日目
さらなるオンボーディング体制を作る必要がある
Manager README
kubot64 (@kubot64) | Twitter
- DMM.comのメンバーシップサービス部のマネージャー
- DMM歴まもなく6年
- プラットフォーム -> マネー統合 -> やっていきチーム -> 他事業コンサルチーム -> 基盤開発チーム
- 「会社に来て楽しいか?」
- 成果を出すためのスキルとモチベーションの両方を判定することができる質問
- HRTの中でも重要なのは信頼
- 情報がオープンであること、なぜその決定がされたのかが透明であること
- ダメな例 : 「CEOがダメと言ったので」
- Modern Agileなチームが好き
- 特に気に入っているのは「高速に実験&学習する」
- ふりかえり
- ポジティブに振り返ること
- KPTだけじゃない。色々試してみるのがいい
- コミュニケーション
- DMよりpublicで会話する
- 1on1
- 詳しくはnitt-sanのスライドを見てね!(宣伝)
オンボーディングの理想と現実
kosako (@aki85135) | Twitter
- RettyのVPoE
今日のポイント
- 手段の前に目的をしっかり考えよう
- みんなを巻き込んで継続しよう
- 人と組織に合わせたオンボーディングをやろう
- 組織の一員として定着させ、戦力化する
- オンボーディングは人事戦略におけるサイクルの中のひとつ
- 戦略的採用のホイール・モデル
- Input -> Process -> outputのサイクル
- InputやProcessに課題がある場合、outputだけよくしようとしても意味がない
- 人の課題
- 誰に聞けばいいのかわからない
- 相談先がない、わからない
- 人同士の関係
- 情報の課題
- どこまでわかっているのかがわからない
- 情報の存在自体も知らない
- 最初からいた人だけは知っている、ドキュメントされてない暗黙知
- カルチャーの課題
- 会社のミッション、価値観への理解
- 期待値のズレ
- 何を期待されているのかが本人、現場ともにわかっていない
- 「頑張ってるんだけどなぜか会社に評価されない」
- 期待する期間の認識差分
- 中途でありがちなこと
- 「中途は即戦力」 -> 何をどれぐらい教えるべきかはっきりしていない。「まあなんか頑張ってよ」
- シニアはある程度値踏みされる
- 信頼を構築する難易度が高い
- 会社、職種横断組織、チームの3つのレイヤでやることを考える
- やりたいことを挙げれば無限に出てくる
- 最初は入社後1〜2ヶ月ぐらいの社員を巻き込んで資料を作っていく
- ドキュメンテーションをオンボーディングにする
- オンボーディングの最後に「自分なりにRettyをどう理解したか」をアウトプットしてもらう
- 入社後2週間は毎日1on1をする
- 3ヶ月後、半年後に期待していることを伝えた上で、本人にプランニングしてもらい、定期的にフィードバックを行う
採用活動は究極のオンボーディングである
星 (@yahooshiken) | Twitter
- POLのEM
採用活動は究極のオンボーディングである
- PXとは
- 採用活動への取り組み
- エンジニアの採用要件/JDをチーム全員で考えた
- 一人一人がどういう人と働きたいかを明確にイメージ
- 一人一人がどういう人に成長していくべきかを考える機会となった
- 全員採用する3つのメリット
- 採用パワーが増加する
- 候補者の採用体験向上
- チームメンバーのPX向上
- 今後の課題
- エンジニアの幸せってなんだ?
- 全員採用から全員広報へ
- 採用要件・JDの認識、バリューの浸透度合いを合わせるのが難しくなってきた
【いきなり1on1記録】第三十回・ボンヌさん
いきなり1on1とは?
こちらをご覧ください
nitt-san.hatenablog.com
いきなり1on1・祝三十回達成
いきなり1on1、三十回達成しました。
三十回です。おめでとうございます。ありがとうございます。
二十〜三十回までの間は、マネージャーを相手とする事が多く、共感したり勉強になることが非常に多い、貴重な体験となりました。
反面、至らなさや足りないスキルがまざまざと見え、気持ちとしてはかなり苦しいことが続きました。
それでも一回一回から得られるものの大きさや、1on1を求める人の声、終わった後の相手のスッキリした顔を見ると、ただただ一つ一つ学んでいかなくてはならないと自覚していく日々でした。
いきなり1on1、もうちょっとだけ続くんじゃ。
概要
場所
- 某会議室
着席位置
- 横
1on1相手
- ボンヌ / Satoshi Ohkubo (@bonnu) | Twitterさん
- 開発組織のマネージャー
受け手からのフィードバック(一部プライバシーに関する所をカットしています)
普段業務で1on1をしているか?
している
nitt-sanと会って話したことのある回数
初対面
ご自分の仕事・趣味・人生などへ、何かプラスになることはあったか?(5段階評価・5が最高)
4
nitt-sanの1on1コーチの技量をどう思いましたか?(5段階評価・5が最高)
5
本日の1on1全体の感想を教えてください
コーチングにおけるスキルというものを実体験することができ、今後の自分自身にとっても非常に参考になりました。
nitt-sanに対し『ここがよかった』『今後も続けたほうがいい』と思ったことはありますか?
ノート・蛍光ペンでの状況整理。少し話を止めて考える際に、あそこまでわかりやすく整理されていると内省が捗ります。
nitt-sanに対し『ここが気になった』『今後は控えたほうがいい』と思ったことはありますか?
時間が限られたシチュエーションなので仕方がないのですが、後半、結論/アクションに辿りつかないといけない… という焦りを少しだけ感じてしまいました。
ふりかえり
どう感じたのか、何故そう感じたのか
マネージャーの仕事をしていると、業務に対して感情と理解が食い違うことが多々あると実感します。同じ課題に対してすら、視座・視野・視点によって、見え方や解決手段は違ってきます。マネジメントは、複数のチームメンバーのそれらが釣り合うところを調整してジャッジすることです。だからこそ面白く、だからこそ時に苦しいのでしょう。
上司に、メンバーに、課題や問題に対して意見を言われた時、相手の視座から見た場合は確かに合理的なものの、自分の視座から見た景色からでは、決して納得のいかないことがあると思います。無理難題でしかないことを突き付けられているような気持ちになることも多いでしょう。
重要なのは、その時自分はどう感じたのか、その感情から逃げないこと。そして、何故そう感じたのか、正面から向き合うこと。
現実と感情のギャップを自覚し、理解し、その上でその後どう行動するのか。闇雲に感情に支配されるのではなく、折り合いをどこにつけていくのか。
今回のボンヌさんとの1on1では、改めてそのことを強く感じました。ボンヌさんは、決して自分にとって快いことではない状況に置かれても、現実と向き合い、自分の負の感情と向き合い、その上で次にどうするかを考えることの出来る、大変誠実な方だと思いました。
場を作ること
後半、結論/アクションに辿りつかないといけない… という焦りを少しだけ感じてしまいました。
フィードバックを頂いた通りですが、ボンヌさんは事前にブログを見ていらっしゃったこともあり、場所等かなり配慮して頂いたかたちとなりました。反面、今回は時間が限られたシチュエーションだったこともあり、アクションを見つけなければならないという焦りに繋がってしまったのだと思います。
これはファシリテーションがまずかったことと、自分側の配慮が不足していたことが原因として考えられます。
「時間内に何か見つけなければいけない」という気持ちがプレッシャーを与えてしまったことは、決して誰かの得になる状況ではありません。
安心して1on1に打ち込める『場を作る』ことの重要性を強く認識出来る機会となりました。ありがとうございました!