【登壇記録】『いきなり1on1』のすべて
経緯
それはいつものようにいきなり1on1をした時のことです。
nitt-san「それじゃあ、いきなり1on1始めましょうか!」
そーだいさん(初対面)「あ、その前に… nitt-san、こんど登壇しない?」
nitt-san「ヒエー、絶対やります」
こうして僕は人生2度目の登壇をすることになったのです…。
登壇したイベント
終始明るい雰囲気でワイワイとマネジメントの悩み事について意見交換ができる素晴らしい勉強会だったと思います。
最近懇親会をおざなりにしない勉強会が増えてきて、いい傾向だなと思っていましたが、群を抜いて会話をしやすい素晴らしい会でした。
次回も絶対参加します。
マネジメントと向き合うことについて
本で読んだりググったり、誰かに聞いたりして、ある程度1on1についての知識はついたけれど、実際にやってみると何だかうまくいかない、何だかしっくり来ない、何がいいのか全然わからないという人がほとんどだったかと思います。片っ端から1on1したい衝動に駆られながら色々な話をしました。
同時に、果たして全てのマネージャーの中のどれだけの人間が、メンバーそれぞれを理解して、成長を促すことにフルコミット出来ているのだろうということをずっと考えていました。
マネジメントという立場になると、どうしても心のどこかで自分は出来る人間なのではないか、自分は特別な存在なのではないかと思ってしまうところがあります。
その感情を自覚した上で、効果的なマネジメント手法に昇華出来る人は、本当に素晴らしいマネージャーだと思います。プロジェクトやプロダクトに対する突き抜けたエゴからくる想いと、自ら先頭に立って旗を振り、メンバーを奮い立たせるリーダーシップにより、チームの雰囲気を最高の状態に持っていき、分析は論理的に定量的に、高い視座から広い視野から鋭い視点から。そういったマネジメントをこなすことが出来る人間が、確かに存在しています。恐らくは一人や二人では効かないほど、あちらこちらに存在しています。
そういう人を見ると、僕はどこまでも凡人であると自覚します。どこまでいっても、やはり凡人でした。
ただ、凡人にマネジメントは出来ないのかというと、そんなことはありませんでした。己のプライドのかたちを見つけて、己のプライドの範囲を小さくしていくこと。そうして自分の成長を深めながら、すべての関係者と尊敬の念で向き合うこと。それこそが今の僕がチームメンバーの能力や情熱を最大限に引き出す唯一の手法であると考えています。
僕が今いきなり1on1をしながら考えていることは、初対面の相手の内心に迫ることが出来る問いを、リスクを取りながらどれだけ捻り出すことができるかということです。その為には、意味も無く自分を大きく見せようとしないこと、自分の意見を捨て去ることが絶対に必要だと確信しています。
その上で、たとえ踏み込み過ぎて相手に悪印象を持たれてしまったとして、相手に嫌われたとして、それでも僕のチームに失敗から得た教訓を持ち帰る事が出来るのならば、何の問題も無いと考えています。
そしてその姿勢こそが、1on1を良いものにする手法であることが、ようやく知識と体験でわかってきたと思います。そのため、おそらくそう遠くないうちに僕はこの活動を終了するかと思います。チームのアウトプットを最大にするために、己に足りない素養、技術、知識を身に付けるための次のチャレンジを模索しようと考えています。
あなたはどうですか?
マネジメントという仕事と、自分のチームと、向き合っていますか?
僕はまだまだです。まだまだ伸び代があると思います。もっとチームのアウトプットを最大化するために、やれることなんて星の数ほどあると思います。
【いきなり1on1記録】第二十二回・おやかたさん
いきなり1on1とは?
こちらをご覧ください
nitt-san.hatenablog.com
概要
場所
- ワイヤードカフェ
着席位置
- 正面
1on1相手
- おやかた@技術書典あ01 (@oyakata2438) | Twitterさん
- 研究職(エンジニア)
- エンジニアに技術本を書くことを広めている方
受け手からのフィードバック(一部プライバシーに関する所をカットしています)
普段業務で1on1をしているか?
していない
nitt-sanと会って話したことのある回数
初対面
ご自分の仕事・趣味・人生などへ、何かプラスになることはあったか?(5段階評価・5が最高)
5
nitt-sanの1on1コーチの技量をどう思いましたか?(5段階評価・5が最高)
5
本日の1on1全体の感想を教えてください
見えてなかった問題点と、解決の糸口が明確に見えた。人に話すことで相当整理された。しかも、自分の中にない答えが出てくるわけではなく、自分の中にある答えが解きほぐされる感じがとても心地よかった。
nitt-sanに対し『ここがよかった』『今後も続けたほうがいい』と思ったことはありますか?
ご飯食べてアイスブレイク良かったです。
nitt-sanに対し『ここが気になった』『今後は控えたほうがいい』と思ったことはありますか?
ノートのコピー欲しいですね。写真だとちょっとイマイチなところあるので。。。
ふりかえり
終始コーチングの姿勢を崩さなかった
『コーチングのスタンスを崩さずに最後までやろう』と考え、実践したところ非常にうまくいきました。
『ご自分の趣味のスタンスを今後どうしていきたいのか、漠然と方向は見えていたものの、考えがまとまらないので整理したい』という相談でした。
問題の根底には何があるのか。内省により動機がハッキリしたならば、やりたいことを実現するにはどうすればいいのか。問いかけるポイントを注意深く探って整理する事で、非常にきれいに収まることが出来たと思います。
「自分の中にある答えが解きほぐされる感じ」という感想は、まさにコーチングが見据えるべきところができたことの証左と考えます。
終わったあと、「感動してます」と言って頂けたのですが、多分全ての回の中でも2,3番目に良かった感覚です。自分の成長を実感しました。
【いきなり1on1記録】第二十一回・chiroさん
いきなり1on1とは?
こちらをご覧ください
概要
場所
着席位置
- 対面
1on1相手
- ちろ (@chiroruxxxx) | Twitterさん
- サーバーサイドエンジニア
1on1時間
156分
受け手からのフィードバック(一部プライバシーに関する所をカットしています)
普段業務で1on1をしているか?
している
nitt-sanと会って話したことのある回数
2回目
ご自分の仕事・趣味・人生などへ、何かプラスになることはあったか?(5段階評価・5が最高)
5
nitt-sanの1on1コーチの技量をどう思いましたか?(5段階評価・5が最高)
5
本日の1on1全体の感想を教えてください
普段あまり自分の考えを人に話す機会がなかったので、話せてスッキリしました。また、自分の中で新たな発見があったので良かったです。
nitt-sanに対し『ここがよかった』『今後も続けたほうがいい』と思ったことはありますか?
相手の発言を待つところ、相手の話をベースに話を進めるところ
nitt-sanに対し『ここが気になった』『今後は控えたほうがいい』と思ったことはありますか?
深掘りしすぎたときに、もう少しはやく原点に立ち返れると良いと思いました。
ふりかえり
自身の成長エンジンが好奇心ドリブンであること、進む方向性について見出せてもらえたことについて、とても良かったと思います。
一方で、以下の2点は次回への課題と考えます。
時間がかかりすぎた
まさか二十一回もやっておいて、今更150分も使うことになるとは自分でも思いませんでした。申し訳ありません。
整理がうまくいかなかった
久しぶりに、構造をきれいに整理することがうまくいかなかった感覚です。
もしかしたら、何度か話を誘導しようとしてしまったからじゃないかなと感じています。結果として変な方向に進んでいってしまったかもしれません。
受け手の感想記事
今回の受け手のchiroさんが感想記事を書いてくれました!ありがとうございます!
toyo.hatenablog.jp
【いきなり1on1記録】第二十回・こまっちさん
いきなり1on1とは?
こちらをご覧ください
いきなり1on1・祝二十回達成
いきなり1on1、二十回達成しました。
1/25にスタートして2ヶ月弱、二十人といきなり1on1を終えました。
自分の中での1on1の型が出来上がったり、人の内省を促していたのに自分の内省に繋がったり、とにかく力不足を実感したり、エンジニアとやったり、マネージャーとやったり、CTOとやったり、色んな事がありました。
社内でもこの活動をきっかけにして、他部署のマネージャー相手に1on1をやってみたり、上司相手に1on1をやってみたり、様々な試行が出来ており、ピープルマネジメントの基礎として1on1のスキルが充分に使えることを確信してきました。
この活動で手に入れたスキルは、日々の職務において確実に役に立っています。ひとえにコーチングを受けてみたいと仰ってくださった皆様のおかげです。ありがとうございます。
概要
場所
- 都内某喫茶店→(閉店)→フリースペース
着席位置
- 対面→90度
1on1相手
1on1時間
83分
受け手からのフィードバック(一部プライバシーに関する所をカットしています)
普段業務で1on1をしているか?
している
nitt-sanと会って話したことのある回数
4回以上会って話したことがある
ご自分の仕事・趣味・人生などへ、何かプラスになることはあったか?(5段階評価・5が最高)
5
nitt-sanの1on1コーチの技量をどう思いましたか?(5段階評価・5が最高)
5
本日の1on1全体の感想を教えてください
お店が閉店時間というトラブルにより移動時間が長くなってしまいましたが、何とかお話し出来て良かったです。
ヒアリングシートの書き出し時間も予測して自分の事前準備の段階で、書く内容を整理しておけば尚良かったかなと思いました。
nitt-sanに対し『ここがよかった』『今後も続けたほうがいい』と思ったことはありますか?
話した内容に対してアウトプット(紙面)での表現がわかりやすくて良かったです。
nitt-sanに対し『ここが気になった』『今後は控えたほうがいい』と思ったことはありますか?
ございません。
ふりかえり
1on1の基礎の形が明確になった
『事実として何が起き、その時に何を感じ、何故そう感じたのかを振り返ってもらい、改めて焦点は何だったのかを再定義し、今後はどうしていくかを考えてもらう。』
『これを構造的に記録してまとめ、可視化する。』
ようやく、自分の1on1の基礎がこの形でまとまったのかなと思います。
終了後、こまっちさんからは「自分が会社でやってる1on1とは全然違った」という言葉を頂きました。
嬉しいと感じる反面、やはりコーチングの手法がもっとマネージャーに広まり、人と向き合うことを重要視するマネージャーが世の中に増えればいいと改めて感じました。
【いきなり1on1記録】第十九回目・てぃーびーさん
いきなり1on1とは?
こちらをご覧ください
nitt-san.hatenablog.com
概要
場所
- 都内某喫茶店
着席位置
- 横
1on1相手
- てぃーびー-転職活動中 (@tbpgr) | Twitterさん
- エンジニア
1on1時間
70分
受け手からのフィードバック(一部プライバシーに関する所をカットしています)
普段業務で1on1をしているか?
していない
nitt-sanと会って話したことのある回数
3回目
ご自分の仕事・趣味・人生などへ、何かプラスになることはあったか?(5段階評価・5が最高)
4
nitt-sanの1on1コーチの技量をどう思いましたか?(5段階評価・5が最高)
4
本日の1on1全体の感想を教えてください
普段から内省しまくってるので相手にするのが難しかっただろうなと思いました。 そのうえで言いにくいいくつかの話もできたのは信頼させていただけたからという点があります。
他の人に話せていないことを話せるというのは心情として救われる面がありました。
nitt-sanに対し『ここがよかった』『今後も続けたほうがいい』と思ったことはありますか?
話すペースの緩やかさ、間が心地よかったです。
nitt-sanに対し『ここが気になった』『今後は控えたほうがいい』と思ったことはありますか?
とくにありませんでした
ふりかえり
アウトプットの量、質ともに群を抜いていて、常に自省を繰り返して次の手を打ち続けているてぃーびーさん相手に、果たしてどういう切り口で1on1をすればいい形で進められるだろうかということを事前に色々と考えて臨んだ1on1でしたが、(案の定)(予想通り)真新しい自省には辿り着けませんでした。
こういう相手への1on1は、いかに本人が考えた事のない切り口からの質問が出来るかが肝になってきます。が、やはり難しいですね…
今回の成果としては、自分とてぃーびーさんの関係性がかなり深まったということでしょうか。ズッ友だょ…!
今回は貴重なお時間を頂き、誠に申し訳ないと思った感じです。こういう方相手にこそ、1on1でどういうバリューが出せるのか、しっかり考えていこうと思います。
【いきなり1on1記録】第十八回・おかしんさん
いきなり1on1とは?
こちらをご覧ください
nitt-san.hatenablog.com
概要
場所
- 神奈川県内某喫茶店
着席位置
- 正面
1on1相手
- 平成の情シスおかしん@技術書典6 え18「ゼロトラスト超入門」 (@okash1n) | Twitterさん
- 情シス・インフラエンジニア
1on1時間
76分
受け手からのフィードバック(一部プライバシーに関する所をカットしています)
普段業務で1on1をしているか?
している
nitt-sanと会って話したことのある回数
初対面
ご自分の仕事・趣味・人生などへ、何かプラスになることはあったか?(5段階評価・5が最高)
4
nitt-sanの1on1コーチの技量をどう思いましたか?(5段階評価・5が最高)
4
本日の1on1全体の感想を教えてください
自分の考えがより整理されたと思います。 先に酒飲んで飯でも食ってからやれば、もっと内面的、根本的なところに踏み込めたような気もします。
nitt-sanに対し『ここがよかった』『今後も続けたほうがいい』と思ったことはありますか?
笑顔であったこと。
自分ではそれ以上続けない問いがあったこと。
nitt-sanに対し『ここが気になった』『今後は控えたほうがいい』と思ったことはありますか?
全体的に良かったと思います。「控えた方が良い」と感じる部分は特になかったです!
ふりかえり
プライドのありかとかたちを自覚してもらう
コーチングは、プライドのありかとかたちを、本人に自覚してもらう役割なのだと気付きました。
というのもつい最近、心理的安全性が充分に高い上司相手にコーチングをさせてもらったのですが、大変に満足のいく結果になりました。今回の1on1は、その時と比べるとやはり及第点だったかと思います。
そこで何が違ったのかを考えると、内面の吐露に対して、うまく掘り下げることが出来たかどうかが別れ道だったのかなという気付きがありました。
恐らく仕事のやり方・タスクの捌き方・何かをやったやらない等を表面的に掘り下げた所で、たかが知れているのかと思います。
仮説ですが、表面的な問題の要因について、一度内面へ深く入り込み、再度表面的な問題の解決に戻るというプロセスを経ることで、内省に至るのではないかと考えます。これは具体と抽象の往復に似ているかたちになるかなと思います。
『何故そういう行動を取ったのか』、『何故そういう心理になったのか』、『何故そういう結論を出したのか』。こういったwhyを繰り返していくことは、感情や内面に寄せていくことで初めて意味があり、そこに寄せるからこそ心理的安全性の高さが重要なんだとはっきり自覚しました。
今回、終了後におかしんさんと話をしていたのですが、「結構自分はプライドが高い」という発言があったことを僕が見逃していたことがわかりました。それに気付いた際に「もしかしたら内面に迫れたかもしれないタイミングで、自分がわかりやすい課題を口にしたのは、自分の内心を守る為だったかもしれない」という発言をおかしんさんにもらえた瞬間に、全貌が見えました。
この一言で、今回の1on1は自分にとって大変に意義のある1on1となりました。本当にありがとうございました。
受け手の感想記事
今回の受け手のおかしんさんが感想記事を書いてくれました!ありがとうございます!
okash1n.io
【いきなり1on1記録】第十七回・そーだいさん
いきなり1on1とは?
こちらをご覧ください
nitt-san.hatenablog.com
概要
場所
- 都内某喫茶店
着席位置
- 正面
1on1相手
- そーだい@初代ALF (@soudai1025) | Twitterさん
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1on1時間
71分
受け手からのフィードバック(一部プライバシーに関する所をカットしています)
普段業務で1on1をしているか?
している
nitt-sanと会って話したことのある回数
初対面
ご自分の仕事・趣味・人生などへ、何かプラスになることはあったか?(5段階評価・5が最高)
4
nitt-sanの1on1コーチの技量をどう思いましたか?(5段階評価・5が最高)
4
本日の1on1全体の感想を教えてください
丁寧に話題をまとめており、ヒヤリングする技術の高さを感じた
nitt-sanに対し『ここがよかった』『今後も続けたほうがいい』と思ったことはありますか?
グラレコするのは話す側の情報整理にもなるので良い。
また事前に準備されており、template化されているのもいい。
nitt-sanに対し『ここが気になった』『今後は控えたほうがいい』と思ったことはありますか?
templateがもう少し掘り下げる部分が最初からあっていいと思う。
特に初見の場合、コンテキストをヒヤリングするだけでそれなりの時間が掛かってしまうため。
ふりかえり
自走の先にある壁と対峙した人との対峙について
『この先のロールモデルを持つ人が見つからない』。
ソフトウェアエンジニアリングに対し、自分のキャリアに戦略を持って走った上で特殊な経歴を経てきたそーだいさんが持つ悩みもまた、ひとつの孤独の形だったように思います。
話していく過程で問題を頭の中で整理して頂くことは出来ました。しかし、自省を伴ってアクションを自ら思いついてもらうことは残念ながら出来ませんでした。
ジェネラリストとして最先端をひた走るプレイヤー・マネージャーと向き合うというのはこういうことなのかと、肌で感じることが出来た貴重な体験でした。
多分この活動を始めた頃の自分ではきっと何も掘り下げることは出来なかったでしょう。恐らくあと2, 3回やる事が出来れば、また違うアプローチが取れたのではという感覚がありました。
もっと速く相手自身と、相手の問題を理解し、もっと早くコンテキストのレベルを揃え、もっと様々な角度から問いかける事が出来なくてはいけないと思いました。
自分自身の弱虫を
先日行われたいきなり1on1で教育心理学を用いてふりかえって成長する会で、ひとりこっそりと感じていた違和感を通じ、今回の1on1で、前々から自分自身に対して思っていたことをふたつ、確信にすることが出来ました。
いずれも『この人は自分より格上だと、自分が思っている / 思い込んでいる人と、同じテーブルで話をする機会』で発生します。
そして自分は今回の相手であるそーだいさんを、明らかに自分よりも格上だと感じながら1on1をしていたことを明記します。
自分で決めたやり方は、納得いく理由が自分に説明できないなら変えない
一つ目は、『極端に自信が無くなること』です。
今回いくつかの事柄について、いつもと違うやり方で1on1を実施し、これにより以下のような問題が発生しました。
- そーだいさんはずっとメモを取るためにPCを開いていた
- そのため、ディスプレイに阻まれ、ノートに書いた事柄をリアルタイムに連携しながら話をすることが出来なかった
- ヒアリングシートに書かず、スプレッドシートに事前に情報を書いて連携していた
これらはそーだいさんからこうしたいと提案があり、自分はあまり深く考えずに「いいですよ」と答えたことです。
1on1が終わった後、いつもよりもずっと何かが頭の中でモヤモヤと残っていた帰り道で、「本当に今日のやり方でよかったのか、今日自分はコーチとしてのベストを尽くせたのか」を小一時間ほど自問自答し、どうやら原因に思い当たりました。
これは心のどこかで『自分よりも知識も経験もあるそーだいさんが言っていることなんだから、別に何の問題もないに違いない』と考えたことが原因で、問題です。
冒頭に『自信が無くなること』と書きましたが、自信の無さを言い訳にして、そーだいさんの決定に軽々しく依存したのだなという、明らかな自覚があります。これまでのやり方は、自分自身が経験したことから、自分自身にとって最適な方法へとカスタマイズした手法だったはずなのに。
もし自分のやり方を曲げていなければ。今回、自分がやり方を曲げたせいで、そーだいさんの自省に繋がるほどの掘り下げが出来ず、悩んでいることの解決への道筋を立てられなかったのだとしたら、これはコーチとしての怠慢以外の何でしょうか。
自分で決めたやり方は、納得いく理由が自分に説明できないなら変えないようにしようと思いました。定期的に振り返って、その都度もっと良いやり方へ変えていくことが出来ていれば、それでいいはずです。
自信を持って傾聴し続けること
二つ目は、『何としても自分の価値を相手に見せ、バリューを持ち帰ってもらわなくてはならないと意気込みすぎてしまうこと』です。
おそらくこれ自体は悪いことではありません。が、今回終盤に整理したノートを見ながらどうにも行き詰まった瞬間、『このままではダメだ、自分と1on1をやる意味を出さなくてはならない』という考えが頭をよぎったことを自覚しています。
これにより、バリューを持って帰ってもらうために、バリューを出そうとして出したものが、急いで出してしまった結論だったことが問題です。
コーチングとは『相手の中に答えがあり、それを引き出すこと』を徹底徹尾追求することです。そのための傾聴、そのための問いかけ、そのためのコミュニケーションスキルであるはずです。これまでの活動で、自分はずっとそれらを追求してきました。
コーチングの場においては、知識の差や経験の差は相手の自省に何も影響しません。いかなる理由をもってしても、コーチがコーチングを放棄することは、相手の自省にマイナスの影響しか与えません。
これからは相手が誰であろうと自信を持って傾聴をし続けようと思います。相手の中にある答えを、全力で引き出すために。